都市は、多くの人々の生活と仕事の場です。社会、経済の大きな問題は、その多くが都市で発生しており、それらの問題解決の舞台となっているのが都市です。
経済活動、文化活動は、世界各地の都市を拠点に展開されており、このことが、都市化の進展をさらに加速させています。人口動態の急速な変化によって、エネルギー、水、健康、教育、交通サービスに対するニーズはますます高度化し、多くの都市がその対応に苦慮しています。
国際都市協力(IUC)は2017年に開始された3年間のプログラムで、世界のさまざまな地域にある都市が、共通の課題解決に向けて連携し、対応策を共有しあうことを目指しています。これは、公共部門と民間部門、コミュニティのさまざまなグループ、そして人々が協力しあって、持続可能な都市開発を進めようという欧州連合(EU)の長期的戦略の一部です。
都市は、IUCに参加することにより、交流相手となった世界中の都市と知識を交換し、それを共有しあい、より一層グリーンで豊かな未来を築くことができます。
IUCプログラムに参加することによって、都市は、互いに学び合い、野心的な目標を掲げ、永続する友好関係を築き上げ、新しい解決策を試し、そして自らの国際的な評価を高めることが出来ます。
欧州連合(EU)の資金支援を得て、IUCプログラムは、都市開発と気候変動に関する地域的な政策目標の達成を支援するとともに、国連HABITATで合意されたアーバンアジェンダ、国連総会で採択された持続可能な開発目標(SDGs)、地球温暖化に関するパリ協定などの国際的合意の達成をも支援します。
IUCプログラムは、主要な国際金融機関及びその関係機関と協力して、都市の意思決定者と潜在的な資金提供者を結びつけます。 EU企業は、持続可能な都市開発とイノベーションに関する協力に参加し、地方・地域の開発に貢献する重要な役割を果たします。都市間協力の対象国は、インド、日本、カナダ、メキシコ、アメリカ、アルゼンチン、ブラジル、チリ、コロンビア、ペルーなどです。また、気候変動・エネルギーに関する首長誓約に関する活動では、韓国、ベトナム、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ラテンアメリカおよびカリブ海地域(LAC)地域のすべての国が対象になります。
次に、IUCプログラムを構成する各コンポーネントをさらに詳しく紹介します。
EUの諸都市は、”World Cities”という都市間協力プログラムに参加し、また、URBACTと呼ばれる参加型都市開発手法を実践する都市のネットワークを築いてきました。 今回の都市間協力は、これらを土台にしてさらに発展させるものです。このプログラムでは、持続可能な都市開発という課題を抱えた都市が世界各地から選ばれ、各都市はEUの都市とペアを組み、問題解決や市場開拓のために行う活動やパイロットプロジェクトの概要をまとめたローカルアクションプランを作成します。参加都市は、プランの作成作業を通して、問題解決のための実践活動をどう設計し、実施し、運営したらよいかを学ぶことが出来ます。こうした活動を通して、具体的な都市開発の課題を克服するために必要な資金・人材・知識とベストプラクティスを集積した知識交流プラットフォームが構築されることになります。
IUCは、世界の各地域で首長誓約(Regional Covenant of Mayors)を推進しています。首長誓約は、気候変動問題に取り組むグローバルイニシアティブの一環であり、世界の都市・地方自治体は、この首長誓約に参加することが期待されています。首長誓約は、気候・エネルギーに関する野心的な目標を自地域で実行することを自らの意思で約束した数千の地方自治体を1つにまとめるものです。これは、気候変動問題に取り組もうとする都市の強力な意思表示です。首長誓約に参加した都市の数は7,000を超えており、結束して気候変動問題に取り組もうとする自治体の国際的連合としては世界最大のものです。
これは、EUと中南米・カリブ海地域を対象にするもので、地域内及び地域間でのイノベーションと協力に焦点を当てた支援を行います。このプログラムは、創意工夫に富む中小企業を巻き込んだ地域開発戦略の開発・強化を鼓舞し、国際的なバリューチェーンの促進を目指しています。ここで学ばれた経験、グッドプラクティス、教訓は収集・共有され、知識の管理・開発が促進されます。
新しい情報は随時更新されます。最新情報については、IUC-Japan事務局のTwitterを参照してください。