4月23日に開催された「EU-日本都市間交流会合」に前後して、欧州自治体が日本のパートナー自治体に訪問しました。
生駒市とイタリア・アンコーナ市
生駒市は、4月17日から22日にかけて、パートナー都市であるイタリアのアンコーナ市の訪問団を迎えました。両都市は、「クリーンエネルギー、社会的包摂、健康都市」を共通課題として交流を行っています。アンコーナ市の代表団は、生駒市の職場の女性支援を進める保育園、高齢者への予防保健対策「スマート・エイジング」の実施、地域の子どもの数の減少に対応するために小・中学校の統合や新しい教育方法の開発などに取り組む施設を視察しました。アンコーナ市は、それぞれのプロジェクトの資金調達や計画時の多様性とボトムアップのプロセスに関心を示しました。生駒市はまた、アンコーナ市の視察団を地元ワインの製造現場に招き、地元産品の魅力を高める方法についてアドバイスを求めました。
横浜市とドイツ・フランクフルト市
横浜市は、4月24日から26日にかけて、パートナー都市であるドイツのフランクフルト市からの訪問団を迎えました。両都市は、「スマートシティ」を共通課題として交流を行っています。フランクフルト市の代表団は、横浜市のみなとみらい二十一熱供給株式会社のプラントを訪れ、コジェネレーションシステムによる地域熱供給のしくみや、インターネットハブのデータセンターによる気候変動に対応した地域熱供給のマネジメントについて視察しました。また、低炭素水素サプライチェーンのパイロットプラント「ハマウィング」視察では、風力発電によって水から水素を製造し、同時に蓄電システムで電力の安定化を図るしくみについての説明を受けました。製造した水素は12台のフォークリフトの動力に活用するというモデル事業から、個々のテクノロジーをどのようなバランスで繋げると最適になるか、コスト削減のベストウェイを模索していることが興味深いテーマのようでした。
一宮市とギリシャ・イオニア市
イオアニナ市訪問団は、4月24日午後、愛知県一宮市役所を訪れ、中野一宮市長と意見交換を行いました。両市は「持続可能な交通」、特に自転車交通をテーマに交流を進めます。2日目は、一宮市博物館で市の歴史や産業等を学んだ後、木曽川沿いにある138タワー公園を訪れました。木曽川沿いに延びるサイクリングロードとその利用状況、レンタサイクルなどを視察し、市の担当者と意見交換しました。午後は、市のリサイクルセンター、尾州テキスタイルマテリアルセンターを視察しました。3日目の午前は市役所で関係部局の担当者と共に、意見交換を行い、今後、共通課題を明らかにし、共通のビジョンを決め、アクションプランを作成する大まかなスケジュールを確認しました。最終日午後は、NEXCO中日本(中日本日本高速道路株式会社)のコントロールセンターを訪問、高速道路とその管理、情報サービス等を視察しました。
郡山市とドイツ・エッセン市
郡山市は4月23日から26日にかけて、パートナー都市であるドイツのエッセン市からの訪問団を迎えました。両都市は、「クリーンな技術と持続可能なエネルギー」を共通課題として交流を行っています。郡山市では、エッセン市の代表団は、再生可能エネルギーと先端医療を地元の主要産業とするために設立された施設を訪問しました。再生可能エネルギーについては、震災後新たに設立された技術開発拠点、関連産業の育成と販路拡大を支援する団体、工業試験場などを視察しました。先端医療についても、同様に開発支援拠点、最先端のがん治療の現場などを視察しました。エッセン市は、東日本大震災の結果、中央政府と福島県からの資金援助を受けながら郡山市が産業構造を変換する様を認識し、福島県とノルトライン=ヴェストファーレン州との連携覚書の下、両都市は具体的な協力内容について更に議論を深めることとなりました。