2018年4月23日、駐日欧州連合代表部において開催された「第二回 EU-日本都市間交流会合」には、欧州委員会と国土交通省とともにIUC-Japanプログラムに参加するEUと日本の自治体10都市が参加しました。
会合では、まず駐日欧州連合代表部のヴィオレル・イスティチョアイア-ブドゥラ大使、欧州委員会地域・都市政策総局のロナルド・ホール顧問、国土交通省の榊真一大臣官房審議官が、高齢化社会やエネルギー転換など地球規模の課題に取り組む地方自治体の活動を歓迎する挨拶を行いました。続いてギリシャ・イオアニナ市のトーマス・ベッガス市長が、地球規模の課題や技術革新、経済発展における地方自治体の役割についてスピーチを行い、さらに郡山市の品川萬里市長が、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた福島地域を代表し、世界各地からの人道的な支援に感謝の意を表するとともに、国家ではなく地方自治体こそが、個々の人々のアイデンティティを結びつける場所であり、IUCプログラムにより、都市や国の境界を越えた対話が拡大し、より活発な交流が促進することを希望すると述べました。
IUC-Japanのプロジェクトコーディネーターである井村秀文名古屋大学名誉教授は、会合において、ペアのローカルアクションプランが最終成果であることを説明、テーマが異なるため、各自治体によって作成方法も異なることを説明し、IUC-Japanプログラムの実施期間終了後も、都市間のペアが継続して協力することを期待し、IUCプログラムが持つグローバルネットワークを最大限活用できるよう、参加自治体が行う取り組みについて、経験を共有するよう促しました。また、参加自治体に対し、IUCプロジェクトを通じて取り組むべき課題と目標を定めたパートナー協定を締結することを求めました。
会合の後半では、現在5組10都市の間で実施されている国際都市間協力活動について、報告が行われました。それぞれのパートナー都市の報告では、両都市からの代表者が発表を行い、今後の交流に向けて活発な議論を繰り広げました。とりわけ、再生可能エネルギーやエネルギー効率、都市交通、高齢社会の社会的包摂、地域経済の活性化といったテーマについては、それぞれのパートナーシップで関心が共通しており、テーマごとにワークショップを実施することが有益ではないかとの意見も出されました。井村教授は、関心が複数のパートナー都市とで重複していることを認め、IUCプログラムで構築されている知識交流プラットフォームが持つ役割の重要性を示しました。
閉会式では、欧州委員会のホール氏が、IUCプロジェクトを通じて、2016年の第三回国連人間居住会議において採決された「ニューアーバンアジェンダ」を実現するためのEUの責務が強化すること、さらに、本会合と欧州都市による日本都市への訪問は、IUCプログラムをさらに拡張するために貴重な機会となることを強調し、和やかな雰囲気の中、会合は終了しました。
今後、夏から秋にかけて、日本の自治体がEUのパートナー自治体を訪問するスタディツアーが計画されており、今後、EUと日本の自治体間におけるさらなる都市間協力の促進が期待されます。